南極の氷山数百個漂流 ニュージーランドへ向かう。
5週間前に南極海付近で大きな氷山の分裂が起きた模様で、細かく砕かれた
氷山が一気に潮流に乗って漂流を始めたとみられる。
氷山の漂流は衛星写真で確認された。氷山はニュージーランド南島の約
400キロ南方、豪州領マッコーリー島付近を北東方向に移動中。
なかには幅200メートル以上のものもある。
ウィルキンス棚氷はかつては面積が約1万6000平方キロに及んでいたが、
1990年代に入って後退を始めた。
前年5月までには、南極半島のシャルコー島(Charcot Island)およびラタディー島
(Latady Island)とは細い氷橋でかろうじてつながっている状態。
しかしこの氷橋も、2009年4月5日には途切れていることが確認された。
ウィルキンス棚氷の南極半島からの分離は、この20年間にわたって続いてきた
南極大陸の棚氷の溶解や後退のなかでも最大の事件と位置づけられる。
「南極半島の温暖化の結果であることは疑いの余地がない。この地域の温暖化は、
南半球のなかでも最も急速に進んでいる」
南極半島の気温は、過去50年で地球平均を約6倍も上回る2.5度も上昇したとの
統計もある。
ウィルキンス棚氷が崩壊
The Wilkins Ice Shelf, on the western side of the Antarctic Peninsula
That bridge gave way in early April 2009